ゲシュタルト療法

★「今ここ」での気づきを得るゲシュタルト療法とは・・・

ゲシュタルト療法は、未完結な問題や悩みに対して、再体験を通しての「今ここ」での「気づき」を得る心理療法です。

ドイツ出身で後にアメリカで活躍した精神分析医フリッツ・パールズとゲシュタルト心理学者ローラ・パールズによって創られました

ゲシュタルトとは、ドイツ語で「かたち」「全体性」という意味です。

そして、ゲシュタルト心理学では、人間は外部の世界をバラバラな寄せ集めではなく、意味のある一つの「まとまった全体像」として認識すると考えます。

 

 
また、パールズは日本で禅の修行も行い、東洋的な瞑想や精神統一の体験を取り込みました。
心と身体は一体であるという視点から、言葉だけではなく、非言語的な表現も重視して、その人を深く全体的に理解しようとするのが特徴です。
 

★なぜ「今ここ」なのか?

伝統的な心理療法では、過去に何か問題があったという見方をします。

そのような立場に対してパールズは次のように述べています。
 
― セラピーの中では、徹底して、現在、「今ここ」で自分が何をしているのかに注意を向けてもらう。

ゲシュタルト療法は言葉や解釈のセラピーではなく、経験的なセラピーである。

我々はクライアントに過去の記憶の中にある問題やトラウマについてただ話すだけで無駄だと考えている。

話すだけでなく、「今ここ」で、現在でも未完結になっている問題やトラウマを再体験することを勧める。

もしも過去の問題が本当に過去のものであるならば、もはやそれは問題ではなく、そんな問題は存在すらしていないということを分からねばならない。―

 
 
 
★「気づき」とは・・・

 <大抵の人は眠りながら歩いている。それでも、それに自分で気がつかない。>
 
これは ロシアの哲学者 グルジエフの言葉です。
 
 
人間がたえず心理的成長をするためには、
 
「気づき(自覚する)=アウエアネス」ということが、大切な基本的アプローチとなります。

「気づき」とは、人が何らかの情報にアクセスできて、
 
その情報を行動のコントロールに利用できる状態のことです。

例えば
「空が曇っている」ことに気づいていること。

「自分が寂しい」ことに気づいていること。

これらのことを言語で伝えることができる状態などのこと。

しかし、人は全てのことに気づいているわけでなく、むしろほとんどのことに気づかずにいます。

つまり、多くのことを意識的にでなく、無意識に処理を行っているのです。

たとえ、自分自身に問題があっても、
 
それに気づいていなければ対処のしようもありません。

気づかない場合には選択のしようがなく、
 
いつもと同じ自動的な反応が起きることになります。

選択肢のない硬直な状況よりも、
 
多くの選択肢の中から状況に応じて選べる柔軟性があったほうがいい。
 
そして、選択というものを実現するためには「気づき」が必要となるのです。

気づくことによって、何かしらの選択ができる。

将来を自分で自由に選択することで、人生の可能性を広がるのです
 
 

 

★どのように「気づき」を得るのか?

人は1つの部分(図)に注目するとき、他の部分は背景(地)となって見えなくなってしまいます。

ゲシュタルト療法では、意識的にどこに注意を向けるかによって、意識されずに「地」となっていた部分を、意識の前面である「図」に反転させるプロセスを重視します。

自分の体の声や感情に耳を傾け、「今ここ」で自分に何が起きているかに注意を向ける。

そして、気づきを通して、抑圧された無意識な部分を意識化させる援助をします。

どの様なやり方で現在自分を抑圧しているかを知ることで、現在の新しい状況に対処することが出来る様になるのです。

 
 

 

★ルビンの盃

白い部分に注目すると「盃」が見え、

黒い部分に注目すると「向き合った顔」が見えます。

 

形に見える領域を「図」、その背景となって見えるのを「地」といい、

「盃」を「図」とする時、

「向き合った顔」である「地」の部分は見えません。

 

しかし、全体像としてはそのどちらでもあります。
 

★NLP・最決断療法の源流、コーチングなどにも影響

NLPは3人の天才(ゲシュタルト療法のフレデリック・パールズ、家族療法のバージニア・サティア、医療催眠のミルトン・エリクソン)の臨床場面の技法から生み出されました。また、交流分析では「TAゲシュタルト」「再決断療法」として脚本分析へのアプローチの方法として用いられています。

過去の原因を分析するよりも「今ここ」での気づきを重視する実践的な立場は、コーチング、フォーカシング、アートセラピーにも多大な影響を与えています。
 
 
 
 
 
(チーム医療Hpより)